馬種シリーズ②~世界中で足跡を残し、多種多様な馬種の発展に貢献した馬~【イングリッシュ・サラブレッド編】
今回は、英国原産馬とアラブとの掛け合わせで誕生した、イングリッシュ・サラブレッドについて紹介します。
1.イングリッシュ・サラブレッドの特徴
体高は、152~173(cm)。
外見は、均整のとれた頭部で、頸はアーチを描いています。長い脚が特徴的。ほとんどが鹿毛です。
主に、持ち合わせているスピードとスタミナで競馬で使われることが多く、引退競走馬の中でも、総合馬術で使われることがよくあります。
2.イングリッシュ・アラブレッドの生まれ
この偉大な馬が誕生したのは17~18世紀ごろです。英国原産種は全体的に馬格が小さいです。また、ヨーロッパ大陸や南アフリカ、アジアの馬に比べると優雅さも欠けていました。しかしながら、スピードと強靭さは負けておらず、フェルとコネマラは非常にエネルギッシュな駈歩が特徴的でした。この2頭はのちに、サラブレットの基礎となる馬の作出にも貢献しました。
英国が初期に輸入した馬の大半は、スペインのアンダルシアンと、北アメリカのバブル、イタリア原産のトルクメニアンでした。さらに、貿易が盛んになるころ、アラブが入ってくるようになりました。そこから、徐々に馬の体高が高くなり、現在の俊敏なイングリッシュ・サラブレッドが誕生しました。
3.英国競馬のはじまり
英国国王のヘンリー8世は、ハンプトン・コート宮殿内にロイヤルパドックを設け、公式に競馬が行われた(1515年ごろ)。特に三大始祖 バイアリーターク (1684生)ダーレーアラビアン(1700生)、ゴルドフィンバブル(1724生)は、英国原産種のスピードを生かしつつ、東洋馬の性格や気質をうまくとりいれ、特に活躍し、近代サラブレットの軸になっています。
4.まとめ
イングリッシュ・サラブレットは、その運動能力の高さからヨーロッパ大陸へと輸出され、その地方の原産種とのかけあわせで、さまざまな品種が誕生しました。ヨーロッパの温血種が発展する過程で、サラブレットの影響を受けていない馬いないといっても過言ではない。世界のどの国行って、サラブレットの息吹を感じることができるだろう。
参考文献
1.タムシン・ピッケラル著「世界で一番美しい馬の図鑑」(2017.9) p207-209